キャリアアップしたくないと思う私っておかしいのかな?
会社からキャリアビジョンを考えるように言われたり、先輩が昇進するのを見たりしたことをきっかけに、そんな悩みを持つ方もいるかもしれません。
でも、みんながみんなキャリアアップしたいと思うわけではありませんよね。
今回は、キャリアアップしたくない女性に焦点を当てて、以下のことをお話していきたいと思います。
- キャリアアップしたくない女性は多いのかどうか
- キャリアアップしないメリット・デメリット
- キャリアアップを断る際のポイント
- キャリアアップしない場合のキャリアプラン
私自身、キャリアアップをしたくないと思っており、専門性を磨いて、将来的には時間・場所に縛られない働き方をしたいと思っている女性です。
一当事者としての視点でお話していければと思います。
キャリアアップしたくない女性は実は多い!?
女性のキャリアアップ希望の実態とは
日本総合研究所の2017年の調査によると、就業している女性546名の内、管理職へのキャリアアップを希望しない人は471名で、その割合は86%にもなっています。
そして実際に、常用労働者100名以上を雇用する企業における役職者の女性比率は、以下の通りとなっており、上位の役職になるほど女性比率が下がることが分かります。(内閣府「男女共同参画白書2018年版」より)
- 係長級4%
- 課長級9%
- 部長級3%
もしあなたが「キャリアアップしたくない自分はおかしい?」と悩んでいるのであれば、全くそんなことはなく、むしろ世の中的には多数派であると言えます。
では、キャリアアップしたくない女性はどんな理由でそう考えているのでしょうか。
女性がキャリアアップしたくない理由とは
プライベートの時間を確保するため
子育てや介護、家事を優先したいから、キャリアアップして業務量が増えて長時間労働になると支障がある、というのが多く見られる理由の一つです。
また、プライベートを理由に転勤や出張に対応しづらいと、周りの目が気になり、キャリアアップしても期待に応えられないと感じる女性もいるようです。
最近は、共働き世帯も増え、働く女性を支援する制度の整備が進んできましたが、それでもなお結婚や育児、介護が「女性」のライフスタイルに影響を与えていることは否定できないのが現状です。
内閣府の調査によると、一日の家事・育児・介護時間と仕事時間の平均の男女差は以下の通りとなっています。
家事・育児・介護時間:44分
仕事時間:368分
家事・育児・介護時間:219分
仕事時間:215分
もちろん家庭によって家事・育児分担は様々だと思いますが、一般的に見ると女性の負担がまだまだ大きく、仕事に時間を割けないというのも納得できますね。
責任が重くなること、部下を持つことへの自信がない
「仕事を任された以上は責任をもってしっかりやりたい」と考える真面目な女性ほど、キャリアアップを躊躇ってしまう人がいます。
例えば、小さい子どもを持つお母さんの場合、子どもが急に発熱して保育園から呼び出されることは珍しくありません。
また、家庭状況によっては頻繁な出張や長時間残業が難しい場合もあるでしょう。
そんな状況を抱えていて「しっかり役割を果たせるかどうかわからない段階では受けられない」という謙虚さゆえの答えになってしまう人が多いようです。
キャリアアップのメリット・デメリット
キャリアアップするメリット・デメリット
キャリアアップするメリットはもちろん大きいです。収入がアップし、新しい仕事にチャレンジすることができるでしょう。
部下を持ちマネジメント業務を担うようになるので、上手く仕事を部下に分担することができれば、仕事をコントロールすることも可能です。
一方で、デメリットとしては仕事量・責任が大きくなることでしょう。
上述の通り、上手く部下をマネジメントして仕事を分担することができればよいですが、それが上手くいかない場合、上司であるあなたへの負荷は大きくなっていきます。
また、管理職になると裁量労働になるため残業代は出なくなります。
そのため、増えた仕事を時間内に終わらせることが大切になってきます。
キャリアアップしないメリット・デメリット
人によっては、部下を持ってマネジメントをするより、自分がプレイヤーとして働く方が好きという人もいるでしょう。
そんな人にとっては、今のプレイヤーとしての業務を今後も続けられるというのはメリットになります。
また、同じ業務を今後も続けることで業務効率が上がり、プライベートの時間は徐々に確保しやすくなってくるでしょう。
一方で、職位を持たないため、大幅な収入アップを見込むことは難しいでしょう。
また、自分はそのままのポジションにいることになるので、ゆくゆくは後輩がキャリアアップして上司になり、その下で働くことになる可能性が高いです。
キャリアアップを断る方法
実際に出社の話が回ってきた場合、断る場合でも「ありがたいお話を頂き感謝しています」などと感謝を伝えて、心象を悪くしないことが大切です。
その上で、上司に納得してもらえる理由を伝えるようにしましょう。
プライベートを理由にする
- 家族との時間を大切にしたいから
- 育児・介護に手がかかっており、出世しても周りに迷惑をかけてしまうと思うから
今の仕事を続けたいことを理由にする
- 自分は管理職よりプレイヤーとして働く方が向いていると思うから
- 今の仕事で資格取得を目指して勉強中だから
自身の未熟さを理由にする
- 今はまだ期待に応えられる自信がないから
- 自身の仕事で手一杯で、人の上に立つ器ではないと思うから
いずれにしても、もちろん嘘の理由はNGです。
将来整合性を欠かないように、誠意を持って正当な理由を伝えるようにしましょう。
キャリアアップしたくない女性のキャリアプラン
キャリアアップしたくない女性は、キャリアアップしなかった場合の将来を想定しておく必要があるでしょう。
- 収入はどのくらい必要なのか
- 生きがいをどこに求めるのか
など、自分が将来どうありたいかを具体的に考えた上でキャリアプランを立てておくことで、「キャリアアップしない」という決断を後々後悔することなく下すことができるようになります。
具体的な選択肢としては、主に以下4つが考えられます。
今の会社にキャリアアップしないまま残る
1つ目は、今の会社にそのまま残るという選択肢です。
ただ「キャリアアップしない」ということを会社に伝えた人にとっては、居心地の悪さを感じるようになるかもしれません。
それを払拭するには「会社にとって価値のある人間になる」ことが大切です。
具体的には、専門分野を極めてスペシャリストになることを意識しておきましょう。
今の仕事分野もしくは興味がある分野について、
○○といえば○○さん!
と思われるくらいの専門性を身につければ、管理職でないにしても失うには惜しいと思ってもらえるはずです。
専門性を磨くには、最新情報を常にアップデートするようにしたり、業務効率化を試行錯誤したり、資格を取得したりするとよいでしょう。
転職する
2つ目の選択肢としては、「キャリアアップはしない」という希望を叶えられる会社に転職することです。
会社によっては、キャリアアップを断ったことで不本意な配置転換をしたり、断ったにも関わらず昇格させたりすることもあるかもしれません。
その場合は、今の会社に固執せず、転職をするのも手です。
転職サイトの検索条件や、アドバイザーとの面談で、「キャリアアップはしたくない」という希望を含めて転職先を探すことで、キャリアアップを求められない会社に転職することも可能でしょう。
また、転職してこれまでとは異なる業種・職種になれば、一からのスタートになるので、当面キャリアアップの話からは離れられます。
副業する
人生において仕事に重きをおかず、収入さえもう少しあれば、という方の場合、仕事は今のまま続けて、副業を始めるというのも選択肢の一つになるでしょう。
収入の他、自分の居場所を会社以外に持てるということもメリットになります。
但し、副業が可能かどうか会社の就業規則を事前に確認しておくことが必要です。
フリーランスになる
キャリアアップしない理由が、プライベートの時間を優先したいということであるなら、いっそフリーランスとして時間と場所に縛られない働き方を目指すのも手です。
近年では、プログラマーやWEBデザイナー、ライターなどのスキルを1から学んでフリーランスとして独立する人も多く存在します。
例えば、女性向けキャリアスクールコミュニティの「SHElikes(シーライクス)」では、WEBデザインやライティング、マーケティング、動画編集などのスキルをオンラインで学習することができ、実際にフリーランスとして活躍する卒業生が多く存在します。
このようなキャリアスクールでスキルを習得し、会社に属さない働き方ができれば、キャリアアップで悩むことは無くなるでしょう。
まとめ:キャリアアップしたくない女性は多い。将来を真剣に考えておくことが大切。
キャリアアップしたくないと思っている女性は、あなただけではありません。
その理由は様々で、「本当はキャリアアップしたいけど、育児や介護を考えるとそうはいかない」という方もいるでしょう。
いずれにしても、キャリアアップしたくないのであれば、自分の将来を真剣に考えておくことが大切です。
自分にとって何が大切で、譲れないのか、ブレない軸さえあれば、キャリアアップを断ったとしても後悔がないはずです。
キャリアアップが人生の全てではないし、今の会社が全てでもありません。
視野を広く持って、あなたの人生をデザインしていって下さいね。